第11回目のお話 人工知能(AI)にできないこと
ソサエティ5.0 (society 5.0)というのがあって、日本が提唱する未来社会のコンセプトのことであるらしい。AIやロボットなどを取り入れることで実現する新しい社会の姿だという。今後ますますAIが活躍するであろう。
しかしながらこの素晴らしきAIにもできないことはもちろんあり、そのひとつが
「志を持つこと」
であると言われる。良い意志を持ち自ら選択した道を行くことができるのは人間だけに許されている。
もちろんいいと判断し実行しようとしたが、志半ばにして頓挫してしまった、綿密な計画のもと取り組んだ結果は惨憺たるものだったなど、実を結ばなかったということもよくある。成功を見る前に命尽きたということも。
ソサエティ5.0においては結果がすべてなのかもしれない。だが実は世界はこの世界だけではない。真の成功は死後にあるとイスラームでは考える。
日常において私たちは常に選択を迫られている。本当のところ、頑張っても頑張らなくても行く末は既に決まっている(神さまはすべてご存知)。ではなぜ私たちはどの道を行くべきか悩むのだろうか。意味がないのではないか?
もとより私たちが知り得ないことをご存知の神さまは、私たちの内面を、私たちが抱く意志をご覧になりそれを重要視されるのだ。
無力な人間にできることは、良い意志を持てるよう祈りながら「行なう」こと。実際に出来なかったとしても、その方向へ体を向けること、せめてつま先だけでも向けようとすることではないだろうか。
そうしていればAIがいかに台頭しようと怖くないぞという気がする。
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